セラック、フレンチポリッシュについて。

セラック(シェラック)は、古くから楽器の塗装に使われている伝統的な塗料。
ラックカイガラムシの分泌する虫体被覆物を精製して得られる樹脂状の物質で、
天然樹脂としては唯一の熱硬化性樹脂、とのことです。

これをアルコール系溶剤に溶かして塗料化し、タンポに染込ませて、
塗っては乾かしを繰り返す伝統的な塗装方法を、フレンチポリッシュと言います。

セラック・フレンチポリッシュは、ラッカーやウレタン塗装に比べ、
時間や手間がかかるので、コストが高くなってしまいますが、
塗膜をかなり薄く仕上げることができ、楽器の振動を妨げないという大きなメリットがあるので、
高級なクラシックギター等では現在でも多く採用されている手法です。

通常ウクレレショップでセラック塗装を見かけることは、ほとんどないと思いますが、
当店で取り扱いしておりますNOSTALGIAや、吉田丈二さんのウクレレは、
全てセラック、フレンチポリッシュです。

上記の通り音響特性が優れたセラック塗装ですが、
取り扱いにあたって、注意しなければならない点がいくつかあります。

・塗膜が極薄で、音響特性には優れている反面、物理的な衝撃に弱く、傷がつきやすい。

・アルコールに弱いので、アルコール除菌シートなどで拭かないようにしてください。

・他の塗装でも同じですが、温度、湿度が高い状況は注意してください。
 ケースの中で長時間放置していると、ケースの内張の跡がつくこともあります。
 夏の車中は特に要注意!

・演奏後は楽器用クロスで、汚れ、汗を拭きとって下さい。
 またポリッシュの種類によっては化学反応を起こしてしまう場合もありますので、
 セラック塗装に対応しているかどうかをチェックしてください。

デリケートな塗装ではありますが、塗り直しがしやすいのも特長の一つ。
上記の点をちょっと気にしつつ、どんどん弾いていただければと思います。